レトルト殺菌包装システムについて

延伸ペットボトルは、高温成型ということで、殺菌と同じ効果になります。

そのまま無菌室に入れて充填すると無菌包装になります。これはお茶などに使用されています。

無菌包装は、常温充填ということで、減圧変形がありません。そのため薄肉ボトルが使用できて、環境上もエネルギー的にも効果的となります。

缶詰の食中毒による死亡が、アメリカで多発したことがありました。

その原因は、無酸素で、生育する偏性嫌気性のボツリヌス菌が原因ということが判って、食品などの殺菌理論が生まれました。

このボツリヌス菌の栄養細胞は、湯殺菌で死滅します。しかし、芽胞になると、高温でないと死滅しません。

このため、何らかの手段でボツリヌス菌という最も危険な菌を死滅させる必要があります。ボツリヌス菌の芽胞を死滅させるために、pH4.6以上の低酸性食品で、かつ水分活性が0.94以上の食品にレトルト殺菌を行います。

中心温度が120度で4分間以上の加熱が必要とされています。缶詰の場合、中心到達まで時間がかかりますが、レトルト食品用小袋は、薄くて熱伝導がよいため効率よく滅菌できます。

一人前のカレーの場合では、120度で30分程度が標準となります。レトルト食品の製造は、トレイに1袋づつ並べて、加圧加熱水殺菌装置に入れます。

加熱水で昇温して120度に達したらそのまま有効殺菌時間まで保温殺菌をします。

その後、冷却工程に入ります。食品の品温が高く圧力が高いので、そのまま冷却すると破裂してしまいます。

そのため、破袋しないように、外部から空気圧を加えながら冷却していきます。

ボツリヌス菌の胞子を死滅させるためには、加熱条件は120度から30分程度です。